blueskycrawler’s blog

日記と読書の記録

「トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業」梶山三郎

どこまでが真実なのか。モデルは奥田碩さんか。おもしろかった。


寝ても覚めても経営のことを考える。それが経営者の本来の姿です。経営者になった以上、血ヘドを吐く覚悟で仕事に取り組まなければならない。あまり自慢すべきことではないが、トヨトミの役員はよく病気で死ぬわけです。過労からくるストレス、体調不良。役員の日常は苛酷のひと言です。豊臣市という愛知県の田舎に本社をかまえ、そこから東京、大阪、福岡、海外との間を行き来する。土日も関係ない。最終の新幹線で名古屋に戻り、夜中の一時二時に帰宅しても、翌朝八時には本社で会議が始まる。わたしも海外に機中泊の日帰り出張はザラでした。出張のない日は毎晩、パーティや接待で酒を酌み交わし、政財官界との人脈作りに励む。ときには最新の極秘情報を取りに行くこともある。こんな生活を年中やって心身を酷使したら、それは死なないほうがおかしいわな。わたしは鈍感なのか、柔道の鍛錬が効いたのか、幸運にも生き残ったが、現役中に死んでいった仲間は山ほどいますよ。いい悪いは別にして、それがビジネスの世界。社員とその家族を食わせていく者の責務です

一銭一厘の単位で、血の滲むようなコスト削減をしている製造業に較べると、メガバンクは無軌道、無責任と言わざるを得ない。不思議に思うのは、銀行も都内の一等地にあんな国賓を接待する迎賓館のような本店ビルをよく造ったな、ということ。リストラの一環でいざビルを売ろうとしても売れません。借りてくれる企業もない。天井はべらぼうに高いし、広すぎるし、床は全面大理石。せいぜい美術館、コンサートホール、超高級なフランス料理店くらいしかないでしょう。わたしはそんな料理店、行ったこともないし、また行こうとも思わないけど(笑)。ともかく、あんな無意味に豪華な建物で仕事をしている銀行に、コスト削減をしろ、と言っても無駄でしょうな。彼らは理解できません

彼らは、足りない分は高齢者とか家庭の女性、IT技術で補える、と主張するが、会社をやっている人間からみればそんなバカな話はない。人には適材適所というものがあります。なかでも日本の主力産業であるモノづくりは計画的に優れた人材を育成する必要がある。国が率先して優秀な若い外国人を招き、集中的に教育を施す等、大胆な移民政策をとらない限り、国力は衰退する一方です。このままでは近い将来、日本は間違いなく終わります

30万人のトップ。サラリーマンの理想ですかね。

トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業梶山三郎