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blueskycrawler’s blog

日記と読書の記録

読書

「最後の医者は桜を見上げて君を想う」二宮敦人

「白い巨塔」の財前と里見のような・・人の死を扱ったものすごい名作だった。おもしろかった。 『この世界に、こんな場所があるだなんて知らなかった。いや、もっと言おう、人が死ぬだなんて知らなかった。 人は死ぬ。苦しんで、一人ぼっちで死ぬ。そして死…

「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦

ちょっと展開がゆったりでじれったかったけど心温まる恋愛物語だった。 「彼女はおまえらなど眼中にない!」「チクショウ、オレも彼女の眼中にない!」 森見登美彦さんにはもっと衝撃的な怪作を書いて欲しいんだけどな−。 「夜は短し歩けよ乙女」

「錆びた太陽」恩田陸

人間と同等の思考力を持つロボットのお話。全く違和感なくものすごく楽しく読めた。恩田陸さんすごい。 『戦争というのは、人的資源、物的資源、そして時間の凄まじい無駄遣いである。 人間の行動は一貫していない。人間の行動は時に理不尽であり、破滅的で…

「夜行」森見登美彦

なんだかストーリーはよくわからないが幻想的で印象的なお話だった。初めて読んだ作家だけどものすごい怪作がある予感。探してみよう。 「夜行」

「大脱走」高杉良

石川島播磨重工(IHI)から80人のエンジニアがスピンアウトしてコスモ80という会社を作ったという実話のたんなる記録みたいな小説。 「大脱走」

「メガバンク絶滅戦争」波多野聖

再読。ひどいタイトルだけどとてもおもしろい。 『プロ同士の情報のやり取りというのはインサイダー情報を交換することではない。互いの切り口を見せ合うことなんだよ。・・・優れた切り口には情報が集まって来るものだ。・・・ 人間というものはあっけない…

「アジアの隼」黒木亮

再読。おもしろかった。たまに読みたくなる僕の憧れの国際金融の物語。 『そうだった。彼は違うのだ。仕事に不平をたれたり、適当に手抜きをしても会社にさえ来ていれば給料がもらえると信じて疑わない日本の甘ったれた終身雇用のサラリーマンではないのだ。…

「64(ロクヨン)」横山秀夫

再々再読くらいかな。たまに読みたくなる。読むたびにおもしろい。 『組織内部のパワーゲームに正義も不正義もない。しかし警察官個々人の持ち場には厳然としてある。交番には交番の、刑事には刑事の、広報官には広報官の正義と不正義がある。たまたまが一生…

「白ゆき姫殺人事件」湊かなえ

DTVで先に映画を見てしまった・・が、人のドロドロさ加減がおもしろかった。 『白雪姫もシンデレラも、童話の中のお姫様はみんな、心もきれいでしょ。世の中の大半の人は、そんな物語を当たり前のように読んで大きくなったはずなのに、どうして現実の世界で…

「ジャッジメント」小林由香

合法的に加害者を被害者と同じ目に合わせられる「復讐法」のお話。とてもおもしろく、とても考えさせられた。 『大切な人を殺された者は言う。「犯罪者に復讐してやりたい」と。凶悪な事件が起きると人々は言う。「被害者と同じ目にあわせてやりたい」と。』…

「彼女がその名を知らない鳥たち」沼田まほかる

爽やかな良いタイトルだなと思ったらドロドロの不幸な恋愛の物語だった。どんだけ裏切られても同じような異性に惚れてまた裏切られる。だって人間なんて動物だもの。誠実さや性格より体臭とか見た目ってことあるよね。そんなお話。 「彼女がその名を知らない…

「神様のカルテ」夏川草介

すごい。慢性的な人不足の末期的な地方の病院の日常をこんだけ明るく柔らかく描けるなんて。 『救急車のサイレンは深夜でも途切れず、それを受け入れるのは、睡眠不足と低血糖の医者と経験不足の研修医だ。 学問を行うのに必要なものは、気概であって学歴で…

「検察側の罪人」雫井脩介

タイトルの通り検察の中の犯罪のお話。いやいやいやいやそうはならんだろうと思いつつとてもおもしろかった。仕事の矜持ってことかな。 「検察側の罪人」

「虚貌」雫井脩介

復讐の物語。おもしろくてあっと言う間に読めてしまった。 『ただ、あなたが強く生きていきたいのであれば、憶えておいて下さい 笑顔に勝る仮面はないということです』 読み終わってみれば秀逸なタイトルだった。 「虚貌」

「望み」雫井脩介

行方不明の息子が殺人事件の被害者なのか加害者なのか。どちらであっても地獄。そんなお話。めちゃくちゃおもしろかった。 「望み」

「火の粉」雫井脩介

久々の雫井脩介。結末はわかってていつ爆発するのかジリジリする系だけどわりとあっさりな展開だった。異常者の描き方はさすが。でもやっぱりこの人には「クローズド・ノート」系の泣ける物語を期待したいな。 「火の粉」

「鴨川ホルモー」万城目学

なんだか不思議でおもしろいお話だったけどちょっぴりあっさり過ぎか。もうちょっと空想の部分に深みというか謎というか何かあったら最高だったかも。 「鴨川ホルモー」

「神去なあなあ夜話」三浦しをん

林業シリーズ2作目。これまたおもしろかった。 『山仕事は奥が深くて、一年やそこらで習得できるものじゃない。毎日発見があって、もちろん危険と隣りあわせの作業でもあるから、考えながらやらなきゃいけなくて、頭も体もパンクしそうだ。でも、楽しい。 …

「神去なあなあ日常」三浦しをん

林業のお話。おもしろかった。いろんな仕事があるんだなー。 『日本の森林で、人間の手が入っとらん場所なんかないで。 日本の林業は、斜陽産業と言われてひさしい。大山持ちだからといって、のんびり座っていられる時代は終わったのさ 山の生き物は、山のも…

「舟を編む」三浦しをん

15年もかけて辞書を作るお話。おもしろかった。 『辞書は、言葉の海を渡る舟だ 海を渡るにふさわしい舟を編む 大学の教授ってのは、世間知らずの専門馬鹿か、妙に耳が早くて政治力に長けたやつか、どっちかだな。 いったいどうしたら、なにかに夢中になれ…

「風が強く吹いている」三浦しをん

久々の三浦しをんさん。素人が箱根駅伝を目指すという怪しさ満載の話だけど、とってもおもしろかった。 『「箱根の山は天下の険!」 「ペース落ちてるぞ。だからといって、時計を見すぎるな。なるべく体で感覚を覚えるようにして」「暑いのに複雑な指示出す…

「蜜蜂と遠雷」恩田陸

恩田陸の「黒と茶の幻想」「夜のピクニック」に並ぶ大傑作。 『途方もない才能を目にするとは、恐怖に近い感情を呼び起こすものなのだ。 注目されたり、妬まれたりすることに比べたら、馬鹿にされたり、無視されたりすることは全然平気だった。 ピアノは天才…

「ともにがんばりましょう」塩田武士

労働組合の団体交渉のお話。わりとあっさりだったけどおもしろかった。 『敵は倒すためにあるんやない 何のためにあるんですか? 歩み寄るためや』 立場は違えど人と人の信頼みたいなもの。いいなと思った。 「ともにがんばりましょう」

「女神のタクト」塩田武士

まーまーかなーっと思って読んでたら終章でボロボロに泣いてもーた。めっちゃいい話だった。 『能書きはええ。やる男であれ。文句ばっかり言うて、目下のもんに偉そうにしてるのは、昭和のあかん軍人と変わらんぞ。男も女も世の中、そんな奴が多い。でもな、…

「盤上に散る」塩田武士

「盤上のアルファ」の続編なので楽しみに読んでみたんだけどちょっと物足りなかった。伝説の真剣師の物語にしてはあっさり過ぎか。貫井徳郎あたりのような重厚さが欲しいテーマだった。 「盤上に散る」

「盤上のアルファ」塩田武士

左遷された新聞記者と挫折した将棋棋士のお話。おもしろかった。やっぱり勝負事は勝たないとね。 「盤上のアルファ」

「八甲田山 死の彷徨」新田次郎

雪中行軍の訓練で参加者210名中199名が死亡し、生き残った11名のほとんどが凍傷で四肢切断という日本全体がブラック企業だった頃のリアルデスマーチのお話。何度読んでもあの時代に生まれなかったことを心の底からラッキーだったなと、ただ、それだけを思う…

「ヴォイド・シェイパ The Void Shaper」「ブラッド・スクーパ The Blood Scooper」「スカル・ブレーカ The Skull Breaker」「フォグ・ハイダ The Fog Hider」「マインド・クァンチャ The Mind Quencher」森博嗣

森博嗣さんが若き侍を描いた物語。人は人が成長する物語に最も感動するという。侍という一度の失敗も許されない職業。そして、他人のために自分の命を捧げるということ。現代の日本には引き継がれなかった古き良き日本のノブレス・オブリージュとメメント・…

「騎士団長殺し」村上春樹

村上春樹の久々の長編小説。相変わらずわけのわからない話だったけどめちゃくちゃおもしろかったし文章が美しい。 『どうしてそんなにも楽観的になれたのだろう?というか、どうしてそんなにも愚かしくなれたのだろう?私の視野にはきっと何か生まれつきの盲…

「闘うプログラマー ビル・ゲイツの野望を担った男達」G パスカル ザカリー

何年ぶりか・・もしかすると20年ぶりくらいに再読。やっぱりすごい本というか、デビッド・カトラーはすごい。 『第一に、品質は、全員の信念でなければならない。トップの経営者から、いちばん下の助手まで、全員の信念でなければならない。経営陣の風向きを…

「罪の声」塩田武士

グリコ森永事件をモデルにしたミステリ。「これは、自分の声だ。」・・設定がおもしろくて引き込まれた。 「罪の声」塩田武士

「ダブルマリッジ The Double Marriage」橘玲

橘玲さんの小説なのに国際金融のお話ではなかった。でもとてもおもしろかった。 『定年になったとたんに奥さんと別れて、全財産を持ってこっちにやってきて、若い女にはまるってよくあるパターンですよ。結婚して子どもができたあとで別の女に手を出して、女…

「公器の幻影」芦崎笙

はたまた新聞記者の話。価値があるのかないのかということよりとにかくおもしろい仕事だと思う。 『「人間は誰しも悪気がないまま嘘をつけるタチの悪い生き物である」ということだ。さすがにそれは言い過ぎだとすれば、「人間は誰しも無意識のうちに自分の都…

「スコールの夜」芦崎笙

日本のエリート社会の典型であるメガバンクで本店初の女性管理職に抜擢された女性総合職第一期生の苦悩を描いた物語。「女だから固い対応しかできない。東大法学部卒だから高慢な物言いだ。そして、子供がいないから生活を支える苦労が分からない。どこまで…

「黒い巨塔 最高裁判所」瀬木比呂志

元裁判官が描く最高裁判所と事務総局について描かれた物語。リアリティがある感じがしてとてもおもしろかった。日本の裁判のお話を読むたびに、日本の裁判所で正しい判断がされることはごく稀で、基本的には訴えられたら終り、ということを思う。おそろしい…

「野村證券第2事業法人部」横尾宣政

「オリンパス巨額粉飾事件」で逮捕された、新人トップの成績を上げたモーレツ野村證券社員のお話。すごい。何でもありだ。彼らの獰猛さに比べると僕らのサラリーマン生活なんてまるでオママゴトのようだ。ハングリー精神という言葉ではきれい過ぎるくらい。…

「世界をこの目で」黒木亮

国際金融マンから小説家になった黒木亮さんのエッセイ集。金融の話より裁判の話が印象に残った。おそろしい。 『国際的な話を書こうとする場合、資料集めの中心は英文になる。英語の資料なしでは、鍵穴から世界を覗くようなものだ。 ある元裁判官の方は「無…

「ちょっと今から仕事やめてくる」北川恵海

人生、心の持ちよう次第ってこともあるわねー。 『服装が変わると気分も変わる。気分が変われば表情も変わる。 いつか、こいつの笑顔は素晴らしい、と思ってもらえるような人間になりたい。 みんな同じだ。苦しんで、もがきながらも、なんとか自分の道を見つ…

「バラ色の未来」真山仁

新聞記者ってほんとおもしろそうな仕事だなー。そればかりを思った。 『新聞記者の存在意義とは、すなわち、権力の監視−−。それに尽きる。だからこそ、調査報道には意味があるんだ。 けど、もう、全部忘れることにした。世の中悪い奴らばかりだ。真面目に生…

「クライマーズ・ハイ」横山秀夫

映画を見て懐かしくなって再読。やっぱり小説と映画は別物ですね。サマリにすらなっていない全くの別物。やっぱり内面がしっかり描かれてる小説の方が好きかな。 『【御巣鷹山にて=佐山記者】若い自衛官は仁王立ちしていた。両手でしっかりと、小さな女の子…

「僕らはみんな死んでいる♪」きら

究極のクローズド・サークル系ミステリーというか恋愛ドラマ。おもしろくて夢中で読んでしまった。 『死んでしまった人が何を思って死んでいったのか 幸せな人生だったと思っているのか いないのか その答えを生きている人間が知ることはできない ましてや …

「メジャーリーガーの女房 〜ヨメだけが知る田口壮の挑戦、その舞台裏〜」田口恵美子

田口壮さんのメジャーリーグ挑戦を奥さんの田口恵美子さんが描いたエッセイ。アメリカで1軍半の期間が長かったために体験した苦労や日本とアメリカの違いや家族の絆や・・そしてやっぱり出てきた仰木監督の素晴らしさ。いい夫婦だなーっと思った。うらやま…

「コンビニ人間」村田沙耶香

普通の人間と感覚が違って生きづらい人がコンビニのアルバイトをしながらなんとか生きていけてるというお話。『普通の人間っていうのはね、普通じゃない人間を裁判するのが趣味なんですよ。』なかなか興味深かったけど芥川賞を受賞した傑作という感じはしな…

「何様」浅井リョウ

「何者」のアナザーストーリー集。前作とは関係なく一つ一つの話がおもしろかった。とくに最初のお話は伏線全てが有効に使われる結末モロバレの恋愛物語だけどその雰囲気が素晴らしくしんみりしてしまった。そして最後のお話も人が人を選ぶというシューカツ…

「何者」浅井リョウ

グルディスに明け暮れる今時の世代の就活のお話。道具や環境は変わったけど中身は20年前と全く同じな感じ。 『就活がつらいものだと言われる理由は、ふたつあるように思う。ひとつはもちろん、試験に落ち続けること。単純に、誰かから拒絶される体験を何度…

「なぎさ」山本文緒

なんとなく幸せになれない女性の恋愛物語を書かせたら日本一の山本文緒が書いた家族の物語。いちおーポジティブなお話なんだと思うんだけどものすごくどんより。人生ってなんなんでしょうね。なんなんだろう。 「なぎさ」山本文緒

「ニューカルマ」新庄耕

商材がウソだらけでビジネスモデルも微妙なネットワークビジネスのお話。正直うさんくさいものだと思ってるんだけど、世の中の大企業のほとんどはものすごい営業をしている。無理矢理に消費を作り出してるという意味では何も変わらないように思う。ほんとう…

「砂の交渉 日米合併」長野慶太

ものすごくおもしろかった。やっぱり国際金融で活躍した人の話はおもしろい。 『男は仕事だ、と怒鳴り、卓袱台をひっくり返すような人間がいざ出世競争に負けてしまったときの惨めさは本人にもまわりにも大きすぎた。 事ってもんはどこの会社でも単純じゃな…

「社運」長野慶太

まだまだ隠れたサラリーマン小説の良い作家がいるんだなー。池井戸潤の半沢シリーズよりよっぽどリアルな緊迫感。グローバルビジネスとかタフネゴシエーターとか。なにより自分が最もヤル気じゃなきゃ誰も自分に着いてくるわけがないというたぶん当たり前の…

「トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業」梶山三郎

どこまでが真実なのか。モデルは奥田碩さんか。おもしろかった。 『寝ても覚めても経営のことを考える。それが経営者の本来の姿です。経営者になった以上、血ヘドを吐く覚悟で仕事に取り組まなければならない。あまり自慢すべきことではないが、トヨトミの役…